2009年3月31日火曜日

放電器

今回は「放電器」について書きます。

>製作の目的
私は蓄電池を「ソーラー充電器」で充電する前に、メモリー効果を取り除くためと、残容量をリセットし各電池の充電量を揃えるために放電する「放電器」を製作しました。

見ての通り負荷は豆電球で、電池は並列になっています。

「充電量の違う電池を並列接続して放電するとどうなるのか?」という意見もあります。単純に考えれば、充電量が多く電圧が高い電池から充電量が少なく電圧が低い電池に電流が流れ込むはずですが、電圧差が小さく、電流計の内部抵抗による影響が大きいので測定していません。

>使用実績
この「放電器」で放電して残容量をリセットした後、「ソーラー充電器4号機」による直列接続での充電を繰り返すうちに、各電池の充電量のばらつきはだいぶ解消されたようです。
以前は電池を液晶テレビで使用していたとき、電池が切れる際は徐々に画面が暗くなっていたのですが、メモリー効果の解消もあるのか電池が切れる時は画面が一気に消えるようになりました。

2009年3月30日月曜日

ソーラー充電器の経済性

今回は「ソーラー充電器」の経済性について書きます。

>製作費
製作費は、ソーラー充電器3号機の場合、
太陽電池1枚1600円×3枚+電池BOX等
=約5000円
と思われます。(実際には、太陽電池のうちの1枚は以前からの流用であり、さらに基板は貰い物なので正確な算出は不可能。)
それを約5年間に渡り使用したので、現時点で計算すると年間約1000円の計算になります。

ソーラー充電器5号機の場合は、送料を除く直近の部品の価格で計算すると
太陽電池 1枚945円×3枚=2835円
単3用電池BOX 70円
単4用電池BOX 105円
アルミ板 360円
合計 3370円
となります。ソーラー充電器4号機(タイプ)の場合は、上記から単4用電池BOXを除いて3265円と試算されます。(実際には、充電能力からして単4型専用で製作した方がよいのかもしれないが。)

純粋に初期投資だけで比較しても、コンセントから電源を取る充電器よりも大差ないか、むしろ不利となってしまいます。さらにソーラー充電器の場合は「晴れた日の日中しか充電に使用できない」という弱点もあります。
コンセント式の充電器で「夜でも、雨が降っても1回0コンマ何円の電気代」か、それともソーラー充電器で「晴れた日の日中だけ0円」で充電するのか。充電の電気代で差額を取り戻すのは、絶望的です。

また、どのように「減価償却」を行うかは、今後の課題です。上記のように「年間いくら」と「定額法」ですべきか、それとも「充電1回ごとにいくら」と「生産高比例法」でするのがよいのか。

>乾電池の使い捨てとの比較
しかし、それでも「乾電池を使い捨てた場合」と比較すれば、いずれは「元は取れる」と思います。
上記のソーラー充電器5号機の部品に加え、単4型eneloop4本(約1300円)を購入したとします。(ソーラー充電器4号機の充電能力からして、単4型で議論するのが適切だと思う。また、実際には蓄電池を複数組用意し、ローテーションを組むことが多い。)
ソーラー充電器本体と合わせると、約4700円となります。
一方、単4型アルカリ乾電池4本セットの値段を105円とすると、45サイクル以上では「ソーラー充電器+eneloop1組」の組み合わせの方が「乾電池の使い捨て」よりも得になります。
つまり、長い目で見れば「乾電池の使い捨て」よりは有利なのです。
(逆に言えば、「元が取れるまで使い続けられるかどうか」が鍵となる。)

私は今となっては「乾電池を購入する」(そして、使用済の乾電池を廃棄する)ことの方が面倒に感じられます。

>結論
結論は、「ソーラー充電器」はコンセント式の充電器と比較すれば不利だが、十分長期に渡って使用すれば「乾電池の使い捨て」よりは有利となる、ということです。

2009年3月29日日曜日

太陽エネルギーの使い道

今回は、太陽エネルギーの使い道などについて説明します。

>太陽エネルギーの使い道
私は「ソーラー充電器」を用いて太陽エネルギーで充電した蓄電池を、携帯用液晶テレビやデジタルカメラ、ヘッドホンステレオ(MP3プレーヤー)などの携帯用機器に使用しています。
私は「ソーラー充電器」を一応「実用に供して」はいますが、「無理矢理実用している」という表現の方が合っているかもしれません。

>なぜ太陽光発電か
私は「風力発電」も考えたことがあります。しかし、
  • 風車やギア等(可動部)の工作が面倒だった。
  • 風力よりも太陽光の方が安定して手に入り、使いやすいと思われた。
といった理由から実現していません。
2つ目の理由についてもっと詳しく説明します。
私は風力発電に適した風が吹く日よりも、太陽光発電に適した晴れる日の方が多いと思ったのです。さらに、以前書いたように太陽光発電は1日の発電量が定格出力の約4時間分と、ある程度予想できます。それに対して風力は変動が激しく、風力発電は発電量が予想しづらいと思います。つまり風力発電で蓄電池を充電しようとすると、極端に言えば1時間で済むかも知れないし、1週間かかるかもしれないということです。私はその分風力(発電)は使いにくいと考えたのです。

>生産手段
私は(系統連繋して売電するか否かを問わず)「太陽光発電」は一般家庭において何かを生産する、数少ない手段の一つだと思います。私は太陽光発電以外に、一般家庭において何かを生産する手段としては、「家庭菜園」ぐらいしか思い付きません。

>未開の地で
太陽光発電なら、太陽の光と太陽電池さえあれば、どこでも電力を得ることができます。
つまり、太陽光発電なら発電所や送電線がない、遠隔地でも電気が使えるということです。
すなわち、アジアやアフリカの奥地、それに離島といった、「未開の地に電気をもたらす」という使い方こそが、太陽光発電の、本来の使い道なのかもしれません。
このソーラー充電器も、電池式の懐中電灯などと共に、難民キャンプなどで使用されるのが、あるべき姿なのかもしれません。

2009年3月28日土曜日

ソーラー充電器の使い方

今回はソーラー充電器の使い方に関して説明します。

>ソーラー充電器の使い方
晴れた日の朝に(又は、前日の晩から)、充電する蓄電池をセットしてベランダに置いておくだけです。
そして、夕方に(帰ってきたら)回収し、充電された蓄電池を取り出します。
休日などで家にいる場合は、太陽の動きに合わせて置く向きを変える場合もあります。

>過酷な使用環境
「ソーラー充電器」は、使用中ににわか雨に降られる場合もあります。濡れて壊れるものではありませんが。
そうでなくとも、夏場には高温に曝されます。
もちろん、直射日光も浴びます。初号機と3号機では赤いリード線が退色してピンク色になってしまいました。
太陽を追尾する機構を取り付けることも考えました。しかし、
  • 工作が面倒
  • にわか雨や高温などの過酷な自然環境によって壊れてしまう心配がある
という理由から実現していません。

>画像の説明
使用中の「ソーラー充電器」の写真です。
画像左側の写真は、「ソーラー充電器3号機」です。後ろ側に見える黒いものが増設した単4用の電池BOXです。
右側の写真は、手前から順にソーラー門灯初号機、ソーラー充電器4号機、ソーラー充電器3号機です。
ソーラー充電器4号機と5号機を製作する前は、「ソーラー門灯」でもダミー電池1本を電池BOXに入れて短絡させ、電池2本を充電していました。

2009年3月27日金曜日

ソーラー充電器5号機

今回はソーラー充電器の5号機を紹介します。

>製作の背景
ソーラー充電器4号機同様、せっかく製作した「ソーラー門灯」をあまり使わなかったので、その太陽電池を活用するためにこの「ソーラー充電器5号機」を製作しました。
(「ソーラー門灯」は2個製作した。)
また、ソーラー充電器4号機で単4型電池を充電する際は、電池をアダプター(スペーサー)に入れる必要があり、少し不便に感じていたというのもあります。
(電池をアダプターに入れると、ソーラー充電器の電池BOXから取り出すのが面倒になる。)
つまり、
  • ソーラー門灯の太陽電池の有効活用。
  • 単4型電池を充電する際の不便の解消。
が、この「ソーラー充電器5号機」製作の動機です。

>構成
「ETM-250 2V」という中国製の太陽電池モジュールを3つ直列に接続し、6Vの出力を得ています。
それを単3型4本用(直列接続)と単4型4本用(直列接続)の電池BOXに直結しています。
この5号機も、本体はアルミ板を曲げて製作しました。
5号機には15cm角、厚さ1mmのアルミ板を使用しました。

>ソーラー門灯
「ソーラー門灯」は「ETM-250 2V」を2つ直列に接続して4Vの出力電圧を得て、それで3本直列接続したニカド電池を充電していました。白色LEDを使用したので、3.6Vの電圧が欲しかったからです。
しかし、太陽電池からの出力電圧が4Vだと電圧が不足して電池を十分に充電できていなかったようです。充電にあたってはニカド電池又はニッケル水素蓄電池1セルにつき、太陽電池は3セル直列、1.5Vの電圧が必要なようです。
この「ソーラー充電器5号機」と前回紹介した「ソーラー充電器4号機」の製作にあたり、6Vの出力電圧を得るために「ETM-250 2V」をそれぞれ1枚ずつ買い足して直列に接続しました。

>使用した太陽電池
ソーラー充電器4号機とソーラー充電器5号機は「ETM-250 2V」という中国製の太陽電池モジュールを使用しています。しかし、現在ではこの品番の太陽電池は入手しづらく、私は通販を利用しました。
(「ソーラー門灯」製作当時は比較的入手しやすかった。)
このブログをご覧の皆様が再現される際は、入手のしやすさからELEKITか田宮模型の太陽電池を推奨します。
ETMシリーズの太陽電池は、供給の安定性に難があるのでお勧めできません。

>使用実績
このソーラー充電器5号機も、4号機と共に現在使用中です。
製作目的の通り、単4型4本を充電するときに5号機を使用する場合が多いです。

2009年3月26日木曜日

ソーラー充電器4号機

今回はソーラー充電器の4号機を紹介します。

>製作の背景
私は太陽電池で蓄電池を充電し、夜暗くなるとフォトトランジスタとFET又はトランジスタを用いて白色LEDを点灯させる「ソーラー門灯」を製作しました。
ところが、せっかく製作した「ソーラー門灯」も、あまり使わなくなってしまいました。
せっかく購入した太陽電池を使用しないのは勿体ないということで、「ソーラー門灯」の太陽電池を活用するためにこの「ソーラー充電器4号機」を製作しました。
さらに、初号機から3号機までは電池を「並列」で充電していましたが、それだと各電池の充電量にばらつきが生じ、機器に入れて直列接続で使用したときに充電量が少なかった電池が先に切れるという不具合が生じていました。それを解消するために、電池を直列に接続し、電気量を揃えて充電する充電器を製作したいとうのもありました。
以上をまとめた
  • ソーラー門灯に使用した太陽電池を有効に活用したい。
  • 各電池の充電量のばらつきを抑えるために、直列で充電する充電器を製作したい。
というのが、この「ソーラー充電器4号機」製作の動機です。

>構成
「ETM-250 2V」という中国製の太陽電池モジュールを3つ直列に接続し、6Vの出力電圧を得ています。
それを単3型4本用(直列接続)の電池BOXに直結しています。
また、この4号機からは構成材料としてアルミ板を折り曲げて使用し、木材と比較して耐久性の向上を図りました。
また、木材よりも両面テープによる接着(太陽電池と電池BOX)がしやすくなりました。
それだけでなく、可動部分がなくなり、太陽高度に合わせて太陽電池の傾きを変えられないので発電効率では不利となりますが、壊れる心配も少なくなり耐久性の向上も図られました。

>使用実績
この4号機は、完成してから2009年の2月いっぱいまでの間に、189回使用しました。もちろん現在も使用しています。
自分が家にいる間は、太陽の動きに合わせて置く向きを変えることもあります。
また、単4型電池を単3型に変換するスペーサー(アダプター)に入れてこの4号機で充電することもあります。
太陽電池の出力電流が250mAなので、1日に充電できる容量は
250mA×4時間×0.7=700mAh
と、単4型ニッケル水素蓄電池の容量に近いので、むしろ単4型の方が都合がよかったりします。この4号機では、1日で単3型のニッケル水素蓄電池を満充電することはできません。
さらに、電池BOXに単3型の「ダミー電池」を1本入れて短絡させ、「3本」の電池を充電する場合もあります。この場合は、太陽電池の出力電圧よりも電池の充電電圧が約1.5Vも低くなる分太陽電池の電力を損失し、効率的には損をすると思います。しかし、太陽電池と蓄電池の電圧差が十分にあるので、電池の満充電はしやすいと思います。
この4号機も、電池に直射日光がほとんど当たらないので、電池が色褪せる心配はなくなりました。

2009年3月25日水曜日

ソーラー充電器3号機

今回はソーラー充電器の3号機を紹介します。

>構成
田宮模型の、0.5V、1200mAの太陽電池
http://www.tamiya.com/japan/products/76002solar_battery_0.5v/index.htm
を3枚直列に接続し、1.5Vを得ています。
それを並列接続した単3用電池BOX4個に直結しました。
しかし、安価なリード線が付いていないタイプの電池BOXを用いたため、半田付けの際に2個が壊れて使えなくなりました。
しかし、後述しますが使える電池BOXは結果的に「2個」で丁度よくなりました。
3号機までは、基板は木材です。
このブログをご覧の皆さんが「ソーラー充電器3号機」(タイプ)を再現されるときは、金属やプラ板などの比較的丈夫な素材の使用を推奨します。さらに、太陽電池をしっかりと支えられる構造も。

>苦労した点
田宮模型の太陽電池は「台形」なので、両端の太陽電池は中央の太陽電池とは逆向きに並べました。
さらに、田宮模型の太陽電池は裏面に凹凸があるので、接着に苦労しました。裏面に小さなプラ板を貼り付けて接着しましたが、接着がうまくいかず端の太陽電池は傾いてしまいました。
ポールで支えられているのは中央の太陽電池のみですが、太陽電池パネルが大きすぎるのと、リード線の長さが足りないのとで太陽電池はあまり動かせませんでした。
さらに、後述しますがこの太陽電池を「1本のポールのみで支える」構造には少々無理があり、結果的には弱点となってしまったようです。

>使用実績
最近はニッケル水素蓄電池の容量が単3型で1本約1800mAhかそれ以上に向上したので、
1200mA×4H×0.7=3360mAh
と、一度に充電できるのは単3型で「2本」となってしまいました。
また、単4型電池を使用する機器を購入したので、3号機には単4用の電池BOX2個を増設しました。
しかし、3号機では太陽電池パネルが十分に大きくなったので、「電池が直射日光で色褪せる」という問題は一応解消しました。
この3号機は約5年間使用しましたが、2008年の2月に落とした際に太陽電池を支えるポールが折れてしまいました。それ以降はほとんど使用していません。

>並列で充電
初号機から3号機までは電池を「並列」で充電していました。それだと充電中の電圧は揃うものの、各電池ごとの容量のばらつきなどにより、充電量がばらつくようだということに気が付きました。
各電池の充電量がばらついていると、電池を機器に入れて直列に接続して使用した場合に、充電量が少なかった電池が先に切れ、残りの電池を有効に使えなくなるという不具合が生じました。
その不具合を解消すべく、各電池の充電量を揃えるために電池を「直列」に接続して充電する充電器を製作しました。

>逆流する電流
この3号機だったと思いますが、暗いときに逆流する電流を測定しました。
測定された逆流する電流は、約8mAだったように記憶しています。
これなら一晩(約10時間)置いておいても、逆流する電気量は約80mAhとなり、十分に少ないと思われます。
さらに、基本的には充電が終わった夕方(帰宅したとき)に電池を取り出すので、逆流によって失われる電力量は気にならない程度だと思います。
むしろ10mA程度の逆流電流を止めるために逆流防止ダイオードを取り付ける方が割に合わないと思います。さらにダイオードによる順方向電圧降下を補償するために、太陽電池が1セル(0.5V)ほど余計に必要になり、その分製作費が余計にかかるというのもあります。